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2021年上半期黒点数推移
https://services.swpc.noaa.gov/text/daily-solar-indices.txtより当協会作図
2020年1月より新しい太陽サイクル25がスタートしました。サイクル25の2年目、2021年上半期の黒点数推移グラフです。半年間で黒点ゼロ日数は47日でした。フレア発生回数は、Cクラスが75回、Mクラスが5回発生しました。少しずつ黒点数が増えている状況が分かり、太陽活動も今後活発化していくものと予想できます。NASA発表の予想としては今後2023年から2026年の極大期に黒点数が95から130個の間、サイクル24の極大だった2014年4月の116個とほぼ同様の見込みです。
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プロトン現象について
今年5月29日、NICTより下記のような臨時情報が出されました。
臨時情報2021年5月29日
【プロトン現象に関する臨時情報(2021年05月29日 13時40分JST)】
GOES衛星の観測によると、静止軌道の10Mev以上のプロトン粒子フラックスは5月29日0時0分UT頃から上昇を始め、29日3時0分UTに10PFUを超えてプロトン現象が発生し、現在も継続中です。
この現象は、活動領域2824で28日23時13分UTに発生したC9.4/1FのLDEフレア(継続時間の長いX線フレア)に伴うものと推測されます。
下図はNICTホープページから、GOES衛星からのデータです。
プロトン現象とは、高エネルギーの陽子の数(単位面積(平方センチメートル)、単位立体角(ステラジアン)、単位時間(秒)当たりに観測される10MeV以上のエネルギーを持つプロトンの個数、流束)が増える現象です。太陽フレアの際に太陽近傍で加速されるか、コロナ質量放出に伴う衝撃波によって加速されます。大規模なプロトン現象は、陽子がもつエネルギーの大きさから地球磁場に守られた内部磁気圏まで到達して、人工衛星などの宇宙機の誤動作や故障を引き起こすことがあり、また地球の極域に侵入することにより通信障害を引き起こすことがあります。
宇宙天気情報の一つの指標です。
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SEISA天文クラブ・SEISA宇宙天気クラブのご案内
スペースウェザー協会傘下の「スペースウェザークラブ」は2021年4月1日より、発展的に下記二つのクラブに分割して活動を行うことになりました。従来の「スペースウェザークラブ」会員の方はそのまま同会員として有効です。次の年会費をお支払いいただいた時に新会員証を発行いたします。
SEISA天文クラブ:宇宙は目の前から見えないくらい遠くまでひろがり、そのなかのちっぽけな存在が私たちです。私たちはイメージします。宇宙の広がり、遠い過去から現在、そしてはるかな未来。時間と宇宙の広がりは、私たちのまわりで毎日起こるいろいろな現象に現れます。目で見て、知って、なぜ?、どうして?とくりかえしていくうちに宇宙がみえてきます。天文クラブは、みんなで宇宙を見て、知って、考えます。現状、会費は無料です。
SEISA宇宙天気クラブ:太陽の活動を調査、研究しながら太陽のふしぎをさぐり、よく知り、まずは太陽の恵みに感謝しましょう。さらに太陽活動による地球へのいろいろな影響についても考え、自然災害の一つである「宇宙天気災害」についての情報を知り、その備えも考えましょう。
クラブ会員希望の方は、下記方法にてお願いいたします。
(1) SEISA天文クラブ
下記ホームページにアクセスし、「ご入会フォーム」よりお申し込みください。
SEISA天文クラブホームページ
(2) SEISA宇宙天気クラブ
従来通り、活動経費へのご援助をいただくためにご賛同をいただける方から会費をいただいております。
下記入会の手順によりお手続きをお願いいたします。
<入会の手順>
1.インターネットより入会申込書フォームにアクセスする。
URLはこちら 入会申し込みフォームURL
QRコードはこちら
2.入会申込フォームに必要事項を記入していただき送信を お願いいたします。
3.申込書フォームを送信後、入会金と年会費を下記の指定口座へ お振込みください。
2年目以降は年会費のみお振込みください。
4.申込書、入会金、年会費の納入を確認しましたら会員として 承認し、クラブ会員証を発行します。
会費 |
| 入会金 | 年会費 |
ジュニア会員(高校生以下) | 500円 |
1000円 |
一般会員 | 1000円 |
2000円 |
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指定口座 |
ゆうちょ銀行 | 振替口座番号 | 00220-1-53949 |
| 加入者名 | 一般社団法人スペースウェザー協会 |
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中南信用金庫 | 本店営業部 | 普通 |
| 口座番号 | 0456537 |
| 店番号 | 011 |
| 口座名義 | シャ)スペースウェザーキョウカイ |
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太陽フレアと雷が「宇宙空間との境界」に影響 |
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soraeニュースより
太陽フレアと雷が「宇宙空間との境界」に影響 アレシボ天文台収集データで調査
2021-06-28吉田 哲郎
太陽フレア(Credit: NASA/STEREO/Helioviewer)
プエルトリコにあるアレシボ天文台の電波望遠鏡が解体を待たずして崩壊したことは記憶に新しいところです。
レシボ天文台は地球外知的生命体探査(SETI:Search for Extra-Terrestrial Intelligence)で特に有名ですが、これまでパルサーや電離層の観測的研究でも成果を挙げてきました。そのアレシボ天文台で収集されたデータを用いた電離層に関する新たな研究が公開されました。
太陽から噴出する太陽フレアと地球上で発生する雷は、地球の電離層に影響を与え、長距離通信に障害を引き起こす可能性もあります。
ISSから撮影された雷光(右下)。太陽電池アレイにその光が反射している。(Credit: NASA, JSC, ESRS)
ニューメキシコ工科大学の物理学助教Caitano L da Silva氏が率いる研究チームは、アレシボ天文台の非干渉散乱レーダー(ISR:Incoherent Scatter Radar)、人工衛星、プエルトリコの雷探知機のデータを用いて、雷と太陽フレアが同時に電離層D領域(「宇宙空間との境界」とも呼ばれています)に及ぼす影響を初めて検証しました。研究成果は2021年5月13日付けの「Scientific Reports」誌に掲載されました。
研究チームは、太陽フレアや雷の影響で、自動車や航空機に搭載されているGPSなどの長距離通信に利用(※)されている「宇宙空間との境界」に独自の変化が生じていることを、世界で初めて解析しました。
(※)電離層は電波を反射する性質を持っているため長距離通信に利用されています。
「今回の結果は、とてもエキサイティングです。私たちが論文で示した重要な点の1つは、雷と太陽フレアによる特徴は全く異なるということです。前者は電子密度の減少を引き起こす傾向があり、後者は増強(またはイオン化)を引き起こす傾向があります」とda Silva氏は語っています。
「この研究は、大気領域の結合を完全に理解するためには、(雷から)下部電離層へのエネルギー入力を適切に説明する必要があることを強調しています。アレシボ天文台で長年にわたって収集された豊富なデータは、下部電離層における雷の影響を定量化するための画期的なツールとなることでしょう」
そしてまた、地球の電離層への影響を理解することは、通信の改善にもつながります。
アレシボ天文台は今後も存続される見通しで、蓄積されたデータなどによる研究に期待したいものです。
Image Credit: NASA/STEREO/Helioviewer、NASA, JSC, ESRS
Source: University of Central Florida、Scientific Reports、APOD
文/吉田哲郎
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